
関連記事
長くなるがどうか聞いて欲しい。
俺がむかし住んでいた場所はド田舎で、
町という名前は付いていたが山間の村落みたいなところだった。
家の裏手の方に山道があり、そこに「かなめさま」のお堂があった。
もともとは道祖神だったらしいが、隣町への道路が整備されてから
その山道自体が使われなくなり、通る人も絶えて寂れてしまった。
かわりにというか、いつ頃からか「かなめさま」に身をしのんで
人に言えないような悩みを打ち明け、願をかける慣習ができた。
そんな成り立ちも今にして思うだけで、俺がガキの頃はとにかく
「かなめさま」はタブーで、昼間でもそのあたりは近寄りがたかった。
見ても見られてもいけない。
牛の刻参りのようなものだ。
続きを読む
俺がむかし住んでいた場所はド田舎で、
町という名前は付いていたが山間の村落みたいなところだった。
家の裏手の方に山道があり、そこに「かなめさま」のお堂があった。
もともとは道祖神だったらしいが、隣町への道路が整備されてから
その山道自体が使われなくなり、通る人も絶えて寂れてしまった。
かわりにというか、いつ頃からか「かなめさま」に身をしのんで
人に言えないような悩みを打ち明け、願をかける慣習ができた。
そんな成り立ちも今にして思うだけで、俺がガキの頃はとにかく
「かなめさま」はタブーで、昼間でもそのあたりは近寄りがたかった。
見ても見られてもいけない。
牛の刻参りのようなものだ。