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今からはもうだいぶ前のことになります。
そのころ私は美術の専門学校を卒業したばかりで、
さらに 金属工芸系を深く学ぶためにその地方の中核都市へ出てきていました。
学校の手続きはすぐに済みましたが、 アパートを探さなくてはなりません。
当時私は片親の家庭で仕送りなどあまり期待できませんでした。
専門学校もアルバイトをしながら卒業したくらいでしたので、
あちこちの不動産屋を回り少しでも条件がよく
家賃の安い物件を探していました。
そして数軒目の不動産屋でありえないような格安の物件を見つけたのです。
それはアパートではなく 一階建ての一部屋で
隣に住む大家さんが自分の家の庭に離れとして建てたものでした。
そして家賃はちょっと考えられないほど安かったのです。
なぜこのような物件がいつまでも残っていたのかというと
不動産屋からは
「大家さんたちは老夫婦で、だいぶ前に息子さんを亡くされている。
その思い出がやっと薄らいできたので、息子さんが使っていた離れを人に貸そうという気持ちになった。
ただ同じ敷地内にあるようなものなので、できれば女の人に借りてもらいたいと思っている」
このような話を聞かされました。さらに
「大家さんたちは借り手と事前に面会して、その人が気に入ったら決めると言っている」
とのことでした。
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そのころ私は美術の専門学校を卒業したばかりで、
さらに 金属工芸系を深く学ぶためにその地方の中核都市へ出てきていました。
学校の手続きはすぐに済みましたが、 アパートを探さなくてはなりません。
当時私は片親の家庭で仕送りなどあまり期待できませんでした。
専門学校もアルバイトをしながら卒業したくらいでしたので、
あちこちの不動産屋を回り少しでも条件がよく
家賃の安い物件を探していました。
そして数軒目の不動産屋でありえないような格安の物件を見つけたのです。
それはアパートではなく 一階建ての一部屋で
隣に住む大家さんが自分の家の庭に離れとして建てたものでした。
そして家賃はちょっと考えられないほど安かったのです。
なぜこのような物件がいつまでも残っていたのかというと
不動産屋からは
「大家さんたちは老夫婦で、だいぶ前に息子さんを亡くされている。
その思い出がやっと薄らいできたので、息子さんが使っていた離れを人に貸そうという気持ちになった。
ただ同じ敷地内にあるようなものなので、できれば女の人に借りてもらいたいと思っている」
このような話を聞かされました。さらに
「大家さんたちは借り手と事前に面会して、その人が気に入ったら決めると言っている」
とのことでした。