数年前に念願の一人暮らしを始めた。
ワンルームで、窓はベランダに続くガラス戸のみだったけど、日当たりも良いので気に入っていた。
そのガラス戸にカーテンをつけた時に気づいたんだけど、カーテンの丈が5cmほど足りない。
まあ、仕方ないな。と思い、それはそのままにしておいた。
数ヶ月経ち、ご飯を食べている時や、座椅子に座って本を読んでいる時、
なんだか、その5cmの隙間に目をやるのが癖になっていた。
その日も本を読んでいて、何気なく隙間に目をやると、
白い布がベランダに落ちて、風になびいてヒラヒラしている。
「あ、シャツが落ちてる」と慌ててカーテンを開けると、
洗濯物なんて一枚も干していなかったし、白い布も無い。
チカチカチカッ!チカチカチカッ!
「うわああああっ!!」

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