【神の天罰で宮司が消えた!?】何百年も続く祭礼日を宮司が「変更」→すると、タヒ者続出、宮司は行方不明の異常事態で怖い・・・

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先日、以前勤めていた職場の同僚と再会した。わたしの前職場は神社だ。同僚は神主。
よもやま話をしているうちに、ある神主の話題が出た。

その人は大きな神社の宮司を十数年来務めてきた人で、些細なことは気に留めないタイプの、かなり改革的な性格だった。
ハッキリ物を言う彼を嫌っている人もいたが、わたしは屈託ない性分の彼と気が合った。

その彼が、一年前から行方不明だと言うのだ。

事件にでも巻き込まれたのか、とか、捜索願いは出ているのか、とか、あれこれ真剣に訊ねると、元同僚は微妙な顔つきでこんなことを言った。

家族が捜索願を出したかどうかは判らない。ただ、突然神社を辞めてしまった。辞める時、普通は神社総代に挨拶ぐらいするものだ。
仮にも宮司を務めたんだから。だが、そんな挨拶も一切なかったらしい。辞意を伝えてきたのは家族だった。
神社の一番大切な祭りの日に顔を見せないと思ったら、突然辞めてしまい、突然姿を見なくなった。
おそらく家族は居所を知っているんだろう。家出なのかどうかもわからない。
問題なのは、彼が宮司を辞めてから一年以上経った今でも、次の宮司が決まらないことだ。
みんな嫌がってなりたがらない。宮司代理もお断りだという。俺にも宮司代理の話が来たが、断ったよ。
あれだけ由緒正しい立派な神社に、宮司も、宮司代理もいないなんて、前代未聞だ。

なぜ宮司代理の話を断ったか、わたしは元同僚に尋ねることはしなかった。
仮にも「神」という得体のしれない存在に使える立場にあった者なら、ここまで聞けば想像がつくからだ。
その神社で、何か障りがあったに違いなかった。


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