411:本当にあった怖い名無し:2013/11/17(日) 15:19:59.47 ID:GyKP88wl0
俺が大学一年の頃、高校で同じ部活のやつと二人で東北の旅をした。
その時に俺の希望で恐山に行った。 それまでは俺には霊感とかそういう類いのものはなかったが、
その旅から帰ってきてから不思議な出来事が起きるようになった。
ただ、元々どんくさいので大抵は恐怖心を覚えないんだけれど、一回だけゾッとした経験をした。
当時は不眠症で、結局寝付けずに夜中の二時か三時くらいにコンビニに行くのが日課だった。
夏も終わりくらいで、夜は気持ちいい感じに涼しく、
鈴虫が鳴き始めている以外は本当に静かな住宅街を十五分ほど歩けば目当てのコンビニがある。
そこに向かう途中にはちょっとした畑があり、続いて茶屋、本屋と並んでいる。
畑の辺りに差し掛かったとき、本屋の前で白いものがパタパタと動いていた。
俺は目が悪い上に普段散歩する程度なら眼鏡をかけないのでそれが何かわからなかった。
たしかここら辺にはコニカだかキャノンだか写真屋のあの風で
クルクル回る看板があったはずだからそれだろうと思い込んで、特に気にせず歩いていた。
煙草を一本吸ったので足で消したときふと気付いたんだが、
そんな看板がクルクル回るほど風は吹いていない。
というよりほぼ無風だ。
そこでおかしいと思うべきだった。
茶屋に差し掛かったとき、本屋の前にある「それ」が何かわかり、
全身の血が逆流するような恐怖を覚えた。