年の離れた弟が居て、弟がまだ3歳位の時に母親が亡くなった。
それからは、父親と自分と弟と祖母の四人で一軒屋に暮らしていたんだけれど、二回忌を迎えた辺りで弟が家の中にお母さんが居るって言い出した。
その頃自分はもう高校生になっていたから、そういうことは信じてはいなかったんだけど
弟はまだ小さいから見守ってくれているんだなと父親と祖母は喜んでいた。
そんな感じで結構頻繁にお母さんが居るって弟が言っていたんだけど、たまに夕飯の最中に
お母さんが居ると何もなに所を指で指したり、一人で何もない所に話しかけたりしていて
見えているのが身内とは言えどちょっと薄気味悪い雰囲気を味わう時もあった。
どうにもキッチンのコンロの辺りで遊んでいたら怒られたらしいのだけれど、母親は生前子供でも
絶対に暴力をするような人ではなかったし、自分も怒られはすれど一回もぶたれた思い出がなかったから、なんだか少し羨ましかった。
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