【怖い話】花子さんの怒り

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俺が中学生だった頃の話だ。
当時俺のクラスでは、とある都市伝説のようなものが流行っていた。それが「トイレのハナサワ 花子さん」というもの。お察しの通り、あの有名な「トイレの花子さん」と似たような話なんだが、ちょっとだけ違うところがある。その都市伝説というのが、こういうものだ。
まず、夜の6時以降に学校の女子トイレに行く。そのトイレもどこでもいいわけじゃなくて、特定の個室がある。そこのトイレは不思議なことにドアが閉められ、内側からカギがかかっているから、ドアをコンコンコン、と3回ノックする。それからドアに向かって、「花子さん、遊びましょう」と呼びかけるんだ。ここで間違えてはならないのが、3回その台詞を繰り返す、ということ。早口言葉みたいにすらすら言うんじゃなくて、普通に人に呼びかけるテンポで伝えるのもポイントだ。
それでも返事は返ってこないんだが、それが普通だ。しかしその後、また同じくらい間をおいて「ハナサワ 花子さん、遊びましょう」と言うんだ。
そうしたら、扉の向こうから「なあに?」って聞こえてくる。

……唐突なようだが、都市伝説はここで終わりだ。誰もいるはずのない夜の学校のトイレ、しかも鍵のかかった個室から返事が返ってくる……というのが怖いのだが、まあ中学生らしいといえばらしいシンプルさってとこだろうか。


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