1: 樽悶 ★ 2023/05/16(火) 22:49:27.79 ID:IbhFDal/9
「周囲に監視されている」「隣の人の貧乏ゆすりは私への暗号」など、統合失調症の症状を赤裸々に説明するHimacoさん。22歳で発症し、28歳の今も病と戦いながら、社会復帰への道のりを模索している。100人に1人は発症するとの病気だが、症状は人によって様々。突然大声で叫んだり、妄想が聴こえたりする症状もあり、「何をするか分からない」「関わりたくない」という世間の偏見から守るために、病気を公にしない家族もいるという。Himacoさんは、自身の経験をSNSや著書で広く情報発信しながら、「治療を受けながら暮らしているので、みなさんと一緒に地域で生きていきたい」とメッセージを伝えている。
■「ニュースで自分のことを話している」妄想で広がる色鮮やかな世界
統合失調症の症状は、人によって様々だ。22歳の頃に統合失調症を患ったHimacoさんは、病気が進行した当時の様子を次のように語る。
「栄養士の仕事をしていたんですけど、日々を過ごす中で“過敏”な心を整理するために日記を始めたんです。日記を綴りながら人生を振り返っていたら、だんだん夢中になっていって、食事や眠ることも惜しむようになっていきました。その作業がすごく楽しくて、眠らず食べず…というのを数ヵ月。それなのに、いつも以上に頭が冴えている感覚で、家族に『大丈夫?』と聞かれても『え? 何で? 元気やでー』と答えていました」
不調に気付かず“充実”した日々を感じながら、思考はどんどん飛躍していき、次第に不思議な感覚に陥っていったという。テレビのニュースでアナウンサーが自分のことを話していると思ったり、外出先で周囲から監視されていると思い込んだり、電車で座っている隣の人の貧乏ゆすりが自分への暗号だと受け止めたりした。周囲のすべてが敵に思えて不安に感じる一方、自身の思考と外の出来事がリンクする感覚は「奇跡の連続だった」という。のちにこの症状が、「統合失調症」という病気であると診断された。
「診断後にわかったことですが、脳が勝手に小さな情報を拾って、意味を発見して、ストーリーを作ってしまうという状態でした。自分が病気だと認識して、まず感じたのは喪失感。というのも、監視されたり悪意の目で見られたりしているときは怖いし不安なんですけど、みんなが私に注目している状態は、自分が特別な存在に思えて、気分が高揚していくことも多かったんです。それらが全部、病気のせいだったんだと思った途端、鮮やかな世界が一気に色褪せてしまったような、寂しい気持ちになったことを覚えています」
■症状に加え異様な疲れやすさも…同世代と同じように働けない負い目
Himacoさんはもともと、精神疾患に対して偏見を持っていたという。遠い世界にいるおかしな人がなる病気だと思い込んでいたこともあり、診断に驚きを隠せなかった。
「『統合失調症にはなりたくない!』なんて思ったこともあったので、『まさか自分が?』と驚きました。でも自分がこの病気を患って、その考えが間違いだと気づいたんです。一方で、診断されて奇異な症状に病名が付いたことで、ホッとした気持ちもありました。ただ、中には病名を受け入れられなくて、治療を拒んでいる人もいらっしゃるようです。ネットなどでは、キツイ言葉で揶揄されたりすることもありますから…」
症状のため栄養士の仕事は退職。その後、社会復帰を試みるも、なかなか難しかった。
(省略)
統合失調症は、症状が気分や言動に左右されることから、人間関係に直結する病気とも言える。5月24日は「世界統合失調症デー」ということで、世界中で「統合失調症」についての情報が飛び交う日。Himacoさんは社会に、どんなことを望んでいるのか。
「大声を出して近所を歩き回って、周囲の方々に恐ろしい思いをさせてしまったこともありました。また、統合失調症には様々な症状があって、意欲が湧かなくて身体が動かしづらいという陰性症状の方もいます。 私は、怖がらないで受け入れてほしい、と伝えたいわけではありません。それよりも、私たちを『別』に扱うのではなく、『人間が脳の調子を崩したんだな、大変だな』という視点を持っていただけたらありがたいです。何をするかわからない、関わりたくないと思っている方もいらっしゃると思いますが、薬を飲んで治療を受けながら暮らしているので、みなさんと一緒に地域で生きていきたいです」