【悪魔の魔法】続きを読む
N氏の前に悪魔が現れ言った。
『どんな願いでも一つだけ叶えてやろう
だが3日後にお前の魂をいただく』
N氏は困った。
願いは叶えて欲しい。が、当然魂は奪われたくない。
その時N氏にある考えが浮かんだ。
「奪う魂というのは1つなのか?
例えば俺の魂を5つに増やしたとする
そして3日後に奪う魂は5つの中の1つ…
という事は可能なのか?」
悪魔は観心した顔で答える。
『良いところに気付いたな
その方法ならお前は死ぬ事無く
4つの魂を手にする事が出来る
数が多ければ不老不死も夢じゃない』
N氏は言った。
「じゃあその願いだ!俺の魂を増やしてくれ!
数は多い方が良い、ありったけの数だ!」
悪魔はうなずき、呪文の様な言葉を呟きだした。
そしてN氏に魂の数が増えた事を告げた。
N氏は喜び悪魔に何度も感謝をした。
「しかしすごい魔法だ、お金とかも無限に増やせるのか?」
N氏の質問には意外な答えが返ってきた。
『実はこの魔法は増やすのではない。移動させる魔法なのだ』
「移動させる魔法?」
『例えばお金なら世界中の金庫などから少しずつ金を集めるというわけだ
無から有を作り出す呪文ではない』
そうなのかという顔をするN氏に背を向ける悪魔。
少しずつ消え去りながら最後にこう言った。
『60億もの魂を与えたんだ
今日は外が静かだな』
星新一みたいなショートショートを作るスレ『パパはメジャーリーガー・天国の控室・戦争のある風景』
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創る名無しに見る名無し:2012/11/11(日) 18:32:35.95 ID:Pa+tMQxq